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バスドライバーの仕事を三つ挙げられないアナタへ

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この記事を書いたのは...

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広島大学 2年生
後田 梨緒

 ドライバーの仕事は、乗客の皆さんを目的地まで送り届けることだけだと思っていませんか?貸切バスを借りた時、ドライバーは何をしているか知らない方やドライバーになりたいと思ったことがある方へ…
 一日、ドライバーの穴井(あない)さん、児玉(こだま)さんの仕事現場を見学させていただいた私が「どのような仕事内容なのか?」「どんな想いで仕事しているのか?」ご紹介します!

ドライバーの仕事時間は、(乗客が知っている時間)+1時間~

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バスのエンジン部分は普段は見ることのないところかと思います!出発前には冷却水等の点検をします。

 さて、ドライバーの仕事とは何でしょうか?目的地まで乗客を送り届けること。それはもちろんですが、「目的地まで『安全』に送り届けること」、これが何よりも重要なのではないでしょうか?その安全を守るために、ドライバーは乗客が知らないところで多くの仕事をしています。

 まず、始めに出庫前・帰庫後のバスの点検です。これは、法律に則った点検表に基づいて毎回行われています。タイヤに問題はないか?エンジン関連のものに異常はないか?など合計50項目程度を確認します。次に、乗務前後にはドライバーの点呼があります。具体的には、アルコール検知器を用いて、ドライバーが酒気帯びでないことや疾病・疲労がないことを確認したり、身だしなみをチェックしたりします。

 他にも、車内清掃のお仕事もあります。基本的には帰庫後に行われますが、見学させていただいた日は雨で多くの泥や砂がついており、待機中に掃除されていました。また、大型車両の場合には、運転する中で通ることのできる道や出入り口が限られてくるので、大型車両が通れる道を把握しておくことも大事です。

 ドライバーさんたちの話を聞いていると、たくさんの道を知っていることに驚きました。道に詳しいのはある意味当たり前のことではありますが、「○○の店を左に曲がると比較的通りやすい道に行ける」「△△の駐車場は停めにくい」などといった、話す側も聞き手側も同じ道路や建物を思い浮かべることができる会話はさすがだなと思いました。

大型バスを運転する自分を想像したことがありますか?

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芸州観光の大型バスです。複数台並ぶと圧巻ですね!

 この記事を読んでくださる方々は、大型車両は運転したことがない方がほとんどではないでしょうか?

 皆さんは、車でどこかに出かける時、何を下調べしていきますか?通る経路はもちろんですが、他にも所要時間や休憩場所などは調べると思います。しかし、大型車両では先に書いた通り、通ることのできる道が限られている場合があります。

 それは、大型車両進入禁止の道路標識が設置されている道路です。ドライバーは、そうした道路を把握し、うまく避けて通行しなければなりません。また、目的地には必ずしも大型車両の駐車場があるわけではありません。お話を伺ったドライバーさん達は、「道を覚えていないと大変」だとおっしゃっていました。高速道路を走っていけばいいお仕事でも、事故や渋滞で一般道を走らなければいけない状況になることもあるそうです。

 今回の見学では、複数台の大型車両で出かけましたが、他の車両のドライバーさんが互いに手助けしている様子が印象的でした。たとえば、急な切り返しをしないといけない時、特に示し合わせていたわけでもないのに一般車を止めて大型バスを誘導したり、出発しようとしている時にバスの目の前を横切っている子どもたちにバスが出るまで待つように伝えたりしている様子を見ました。

 大型車両のドライバーだからこそ、どんなことが必要かを分かっていて、協力し合えるのはすごいと思いました。同席していた私にはできなかったと思います。そもそも思いつきませんでしたし、バスが方向を変えるのにどれくらいのスペースを必要とするかなんて分かりませんでした。

今からでも遅くない!ドライバーにはいつだってなれる!

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今回、お話を伺ったドライバーさんの一人、児玉(こだま)さんです。60歳を過ぎても元気な方です。

 皆さんは、就職して定年退職して、その後は年金生活…なんて人生を思い描いていますか?それとも、定年後にもどこかで働きたいとか考えていますか?定年後のお仕事に、大型バスのドライバーはいかがでしょう。

 芸州観光のドライバーはほとんどが60歳を超えています。60歳以前からバスドライバーをしている人もいますが、中には前職を60歳で退職してから大型自動車第二種免許を取得し、ドライバーになっている人もいます。

 今回、お話をお伺いしたドライバーの1人、児玉(こだま)さんは、昔からドライバーに憧れていたことや、前職での同僚がバスの運転手になったと話を聞き、自分もドライバーになりたいと思ったそうです。今は、その夢が現実となり、とても楽しいそうです。上記でお伝えした通り、大型車両が通れる道や出入り口の把握など、大型車両のドライバー特有の大変なことがあります。ですが、楽しいこともたくさんあるそうです。それは、知り合いがたくさん増えること。それは、同じバス会社の人やバスを利用される乗客の方々。お仕事は堅苦しいものではなく、お客さんとの会話を楽しみ、柔軟に対応していけばいいとおっしゃっていました。

 何歳になっても自分のやりたいことができる人生は、素晴らしいと思います。定年退職した先の人生まで今はなかなかイメージすることはできませんが、ちょっと考えてみようかなと思いました。

取材後記

 今回、一つのお仕事に最初から最後まで同行させていただいたわけですが、知らなかったことがたくさんありました。私は、ドライバーが車両内を掃除していたことは知らなかったし、日報や点呼が法律に則ってきちんと行われていることも知りませんでした。
 お仕事に同行させていただいて、大型車両の出発や停車時にドライバー同士が自然に協力していたのがとても印象的でした。 (後田 梨緒)

企業/団体情報

企業/団体名 有限会社芸州観光
代表者 児玉 塁
所在地 広島県東広島市西条町田口451-9
公式サイトURL http://geishukanko.com/
求人サイトURL http://geishukanko.com/recruit.html

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