人について

地域の発展を「循環」という視点から見てみると…

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この記事を書いたのは...

原
広島大学 3年生
原 美香

 今回は、西條商事で今は本部惣菜こだわり巻き寿司を担当している蔵田 拓(くらた たく)さんに、「地域の発展」について経済循環や、社会の循環という視点からお話を伺いました!
 蔵田さんにはインターンシップの最初から最後までお世話になり、私が地産地消についてより深く意識するきっかけをくれた方です。
 「地産地消」や「経済循環と地域の活性化」、「社員教育の意義」等について高い見識を持っていて、いつも「なるほど!」「そうなんだ!」と思うような、新しい視点を提示してくれます。
 蔵田さんにお話を聞く中で、「社会で起こる事柄は、一見関係ないように思えるものでも、実はつながっている」ということに気づくことができました。

地域の発展に地産地消は不可欠!?

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ショージ店内にある地産地消コーナー。

 地域経済の循環という点から考えると、地産地消は地域の発展に欠かすことのできないものなんです。

 たとえば、海外や県外から仕入れた商品をスーパーマーケットで販売し、消費するとします。もちろん販売店にもお金は入りますが、主な利益は商品を生産した海外や県外の企業のものになります。つまり、その地域の生産者の方への利益はありません。

 反対に、地域で生産された商品を地域で消費すればどうでしょう。商品を消費することにより、利益が地域の生産者の方へ回ります。それは地域内で循環するお金の量が増えることを意味します。

 また、企業が払う税金は、その企業の本社がある地域に納めるため、企業からの税収が増えることにより、インフラ整備や公共事業を行う資金が増えます。インフラ整備や公共事業がきちんと行われている地域とそれらを税収で賄えない地域では、地域住民の生活の質に差が出ますよね。より良い生活を求めて、他の地域に引っ越す人も出てくるでしょう。

 そうすれば、その地域の人口が減り、行政区が得ることのできる住民税も減ります。すると、すでにある公共物や行政サービスが維持出来なくなり、その行政区の負債となってしまうんです。次の投資資金もない状態になります。

 公共物や行政サービスを維持しようと住民税などの地方税も多少上がるとは思いますが、図書館の壊れたエアコンを直せない、大きな街まで行かないと受けられない行政サービスが増える等、地域住民の負担が増えます。その負担を避けるために、また引っ越す人もいるでしょう。悪循環ですよね。

 反対に、好循環を生み出すことができれば、インフラが整い、人口増加につながり、地域住民の懐は潤うのです。地域は活性化しますよね。西條商事が地産地消に力を入れてきたのは、「地域と共に成長したい」そういった思いがあったからだと思います。

変わるものと変えないもの

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本部惣菜こだわり巻き寿司を巻く蔵田さん。真剣な表情です…。

 一つの地域で生産し、消費するというお金の循環をつくることができれば理想です。でも、実際に一つの地域でお金を循環させると、どうしても目減りしてしまうんです。経済活動には必ずロスが生じるからです。その地域の気候や環境等の特徴によって、生産が可能かどうかも変わってきますしね。

 たとえば、お客様の多様なニーズに応えるための商品を一つの地域で賄おうとした時のことを想像してみてください。お客様の好みは千差万別です。多少値段が高くても、収穫したばかりの新鮮な商品を食べたいと思う方もいます。無添加のものを好む方もいます。その一方で、食費にはできるだけお金をかけたくないから安いものを買いたいと思う方もいます。

 好まれる商品、選ばれる商品は日々変化しています。

 原材料や肥料も生産すると考えると、地域で賄える商品や種類、量には限りがありますよね。地産地消コーナーや自然食品のコーナーを設ける等、西條商事が大切にしてきたこだわりは変えるつもりはありません。でも、大量生産ができ、商品を安く提供できる地域の外にある大企業の商品も、お客様の多様なニーズに応えるためには必要なのです。とはいっても、原材料や製造方法にこだわっている大企業ももちろんあります。

 大切なのは、商品がどのようにつくられ、その背景に生産者の方のどんな想いやこだわりが込められているのかを販売者である私たちが知り、選択し、お客様にお届けすることだと思います。「変わるもの」と「変えないもの」、両方大切な要素なんです。

知ってほしいのは日本人だけじゃない!

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世界遺産「宮島」。海外からの観光客や留学生の方々にも広島の魅力を知ってもらいたいですね。

 広島県では、2015年の外国人観光客が年間166万人を超えました。平和記念公園や宮島など、世界遺産を訪れる観光客が増加しています。

 また、広島大学や近畿大学、広島国際大学、広島経済大学等、広島県にはたくさんの大学があり、留学生がいますよね。最近では、大学でも「グローバル化」を進める傾向があり、留学生の数もこれからさらに増えていくでしょう。

 海外から来た人たちに「広島県」が魅力的であると感じてもらうことができれば、次は来日した人の紹介でその家族や友達が来てくれるかもしれません。また、リピーターとして再度来てくれるかもしれません。

 そうやって「広島県」をより多くの人が訪れてくれることは、経済の循環で考えるとプラスですよね。地域の発展につながりますよね。私たち西條商事も、観光客や留学生の印象に残るような、「地域愛着」を大切にした店舗になっていきたいと思っています。

取材後記

 蔵田さんの話の中で、「会社で働く従業員も、同時に地域の一員であるため、従業員の意識を高める社員教育をすることで地域循環を良くし、地域の発展につなげることができる」というお話も印象的でした。私には社員教育が地域貢献につながるという発想がこれまでなかったので、「地域での会社の役割」を初めて意識することができました。 (原 美香)

企業/団体情報

企業/団体名 西條商事株式会社
代表者 蔵田 至
所在地 広島県東広島市西条土与丸2-6-49
公式サイトURL http://www.saijo-shoji.co.jp/
求人サイトURL http://www.saijo-shoji.co.jp/recruit/

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