吉田 峻さん

広島市湯来交流体験センター

0から1を生み出し、田舎の魅力を発信していく!

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取材してきました!

 今回は、広島市湯来(ゆき)交流体験センターで取材をしてきました。お話を伺ったのは、交流センターのスタッフであり、個人事業主でもある吉田 峻(よしだ しゅん)さんです。
 湯来交流体験センターでは、カヌー体験や登山、こんにゃくづくりなどの体験をすることができます。私は、そのような体験ができる施設があることを知りませんでした。また、私自身が地域貢献できるような仕事に興味を持っていたので、今回取材させていただきました。

私が取材しました!

谷口清夏

安田女子大学

3回生


谷口 清夏

学生

広島市立大学

2回生


工 真央

自分が田舎に入って発信していこう!

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夏季限定のカヌー体験。カヌーは慣れると楽しいのでおすすめです。夏には、ぜひカヌー体験を!

 今回は、個人事業主で、広島市湯来交流体験センターで働いて三年目の吉田さんに取材してきました。

 吉田さんは、大学時代、地域活動を支援する学生団体STYLEを立ち上げました。
 その団体で、広島NPOセンターが開催していた「若者の力で里山を元気にしませんか?」というシンポジウムに参加し、上多田集落(かみただしゅうらく)へ行くことになりました。

 大学三年生の春休みに、上多田集落で地域の方との交流会を行ったそうです。上多田集落の方々は、若い人と接する機会が全くなく、「こんなに若い人が来てくれたのは久しぶりじゃ」「心から嬉しいわ」「涙が出るくらい嬉しいんじゃ」と言ってくれたことがすごく嬉しく、若い人が行くだけで喜んでくれるという価値観に触れることができたと、吉田さんはおっしゃっていました。
 
 これが田舎の良さで、現地の人がそれを伝えるためには、外部の力もどうしても必要になるため、自分が田舎に入って発信していこうと思ったことが、移住したきっかけだそうです。

 また、「田舎は何もないっていう風に言われると思うけど、逆にその何もないっていう事実があると思ってる。0を1にできるチャンスがとってもたくさん田舎にあるなっていうのを感じてる。0を1にする人もいれば、1を100にする人もいるし、100を1万とか1億にする人もいる。自分がその中でどこに携わりたいかって考えたときに、自分は何か0から1を生み出す人間になってみたい」とも思っていたそうです。

 吉田さんは就職活動をされてないそうで、その間ボランティア活動をしていたそうです。合同説明会には参加していたそうですが、取り繕ってまで企業に入ることが自分にとって幸せなのか?と考えた時、違うなと感じてその時点で就職活動を辞めたそうです。
 その時に、田舎で生きるという選択肢を新しく作る方が、「今後の人生がとっても面白くなるんじゃないかな」と思い、田舎に移住するという方向にシフトチェンジして動き出したそうです。

 移住先の家は、交流会に参加していた方が上多田集落の空き家を紹介してくれて、決めたのが大学四年生の二月くらいだったそうです。仕事を探していた時に、「交流センターの仕事が“一席”空いてるよ」という話をセンター長の武田さんから教えてもらい、スタッフとして働き始めました。

 働き始めて一年が経って、個人事業主の申請をしたそうです。広島市湯来交流体験センターの大元の会社は東京に本社があり、規則上副業禁止のため、交流センターに勤めながら農業もすると、農業が副業になってしまいます。農業もしながら仕事がしたいと思ったときに、自分のやりたいことが実現しやすくなるということで、個人事業主の申請をしたそうです。

 学生団体の立ち上げをしていたという話を聞いて、学生時代から活動的な方だと感じました。
 今は、交流センターの仕事以外にも、ぽるぽるライブへの出演、お米作りなどの農業もされているなど、様々な方法で地域貢献をされています。このような働き方をしたい人はNPO法人で働くだけでなく、個人事業主になるというのも一つの選択肢かもしれないですね。

段取り八割と本番二割

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湯来交流体験センター裏の川。きれいな翡翠色や流れる水の音に癒されました。

 交流センターでの仕事は、電話対応やポスター作り、三ヶ月単位のイベント予定のカレンダー作り、イベントの企画・運営をしているそうです。

 吉田さんの企画したイベントには、「ゆるコン」という婚活プログラムがあります。若い女性のスタッフの方と一緒に、婚活ほどの出会いをしっかり求めなくても、友だちがほしい方のプログラムイベントを作って、運営を行っているそうです。

 武田センター長からの教えで「段取り八割と本番二割」というものがあり、イベントの企画や運営では、準備をしっかりやることを心がけているそうです。その後は、失敗や反省点を確認して、それを踏まえて次に活かせるようにしているそうです。

 また、この人みたいになりたい人は?とお伺いしたところ、「武田センター長のように仕事をしっかりする人は、尊敬する一人の人だと常に思ってます。」とお答えいただきました。
 武田さんは、イベントのある前日は夜遅くまで準備のために残って仕事もしっかりされていて、プライベートも充実させているそうです。家庭と仕事の両立をはかっているところを尊敬しており、また広い視野で物事を見られる方だからイベント企画の時もアドバイスをいただいて、とても感謝しているそうです。

 個人事業主として、他にホームテレビのぽるぽるライブの30分コーナーで田舎の魅力を発信しているそうです。ぽるぽるライブは毎週日曜日の5時30分から6時までの放送で、田舎の魅力や田舎で頑張っている人を紹介していく番組です。

 湯来に来たときに、田舎の魅力を伝えていきたいという思いが強く、その思いを最大化できる手段は何かを考えた時に、タレントになることが一番注目を浴びることができるなと思ったそうです。
 そして、移住した時から田舎タレントというのを勝手に作って、空き家に住んでいるというのをアピールしていたら、テレビ局やラジオにお話をいただけるようになり、ぽるぽるライブでのコーナーをいただけるようになったそうです。

 家庭と仕事の両立をしている人は、私も素敵だなと思いました。家庭との両立はなかなか難しいと思いますが、自分もそのバランスを保ちながら仕事をしていきたいです。

 田舎の魅力を伝えるために田舎タレントを作った吉田さんは、本当にすごいと思いました。私は、田舎に住んでいますが、これまでは人口が減っていくことに関心も持たず、この先もどんどん人が減っていって、自分の住む地域も過疎化していくのかなと思っていただけでした。

 外部から見た田舎には、若い人が来てくれるだけで喜んでくれる、という魅力があることを知り、都市を知り田舎を知った吉田さんだからこそできたのではないかと思いました。
 「井の中の蛙、大海を知らず」を身をもって感じ、今の私たちには色々な世界を見ることが大切なのではないかと感じました。

少しでも地域に貢献できたら…

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仕事をされている吉田さん。イベントの企画や準備などをされています。

 三年後の目標をお伺いしたところ、「上多田集落に限って、まずはもう少し若い人に移り住んでもらって、里山で暮らすという選択肢が増え、もっと自由にできる設備や状況を整えたい」とおっしゃっていました。

 また、古民家を改装して民宿、ゲストハウスをやろうとしていて、その担当にさせてもらえそうだから、「泊まってくれた人に田舎の暮らしを感じてもらえる施設に一個できたらな」、ともおっしゃっていました。
 そのゲストハウスで利益がそこそこ見込めるようになったら、新しく雇用を生み出すことができるので、その点でも少しでも地域に貢献できたら、と考えているそうです。

 最後に学生へのメッセージをいただきました。

 「就職活動を通じて企業に就職するっていうのがすべてじゃないよっていうのを伝えたいな。自分みたいにもし、田舎で何かチャレンジしたいなって思ってることがあるなら、飛び込んでみるのもいいんじゃないかな。
 企業に就職して何年かやって独立するっていう目標を持ってる人もたぶんいると思う。その何年間費やす時間と最初からぽんとやりだす何年間の違いっていうのはとてつもなく大きいものだと思う。
 だから、そういう思いがある子は飛び込んでもいいんじゃないかっていうか、そういう選択肢もあるってことを伝えたいですね。」

 また、NPO法人で働きたい、地域貢献をしたい人へのメッセージもいただきました。
 「地域貢献をしたいと思って入ってくると、地域貢献をしないといけないっていうプレッシャーに駆られて、そのプレッシャーに押し潰されてしまう可能性がとってもあると思っているのね。
 じゃなくて純粋にそこの仕事を楽しむ。自分が楽しんでやればきっとそれが周りの人にとっては地域貢献になってるはずだから、まずは自分自身が楽しんで仕事をするっていうことが大事かなって思います。」

 若い人が移住しやすい設備や環境づくり、新しい雇用を生み出すなど、吉田さんは0から1を作り出すことに、力を入れていることがとてもよく分かる取材でした。
 0を1にすることは、1を100にするよりも難しいと思うのですが、それを実行している、実行させようとしている吉田さんを知り、挑戦することの大切さを学ぶことができました。

 皆さんも何かしたいことがあるなら、挑戦してみませんか?

取材後記

 最後の学生へのアドバイスで、企業に就職するだけがすべてではないという選択肢を示していただきました。
 今まで企業に属することが一番だと思っていたので、とても新鮮でした。広い視野を持って将来を見据えることが大事だと感じました。

 今回の取材で広島市湯来交流体験センターには、いろいろな体験があることを知り、ぜひとも体験してみたいなと思いました。皆さんも、ぜひ体験してはいかがでしょうか?

企業/団体情報

企業/団体名 広島市湯来交流体験センター
代表者 武田 真哉
所在地 広島県広島市佐伯区湯来町多田 湯来ロッジ隣
公式サイトURL http://yuki-kouryu.jp

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