井上 文さん

株式会社テレビ新広島(TSS-TV CO.,LTD)

出来事は一つの側面だけでは成り立たない
~その中から何を伝えよう~

ああ (2)

取材してきました!

 株式会社テレビ新広島の報道記者、井上 文(いのうえ あや)さんにお話を聞いていきました。井上さんは大学時代から「社会」に興味を持っておられ、自ら動いて知りたいことを追求する生活を送られていたそうです。
 今回は、そんな学生時代に井上さんがやったことや報道記者の多岐にわたるお仕事の数々など、これから報道のお仕事に就きたい!と思っている学生さんに特にためになるお話を聞くことができました。

私が取材しました!

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安田女子大学

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本光 優香

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安田女子大学

3回生


三好 恭羽

報道記者は記者でもありディレクター(演出家)でもある

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シックな外観が印象的なオフィスでした♪

 入社三年目の井上さんは、最近までは主に警察関係(事故や災害など)の報道を担当されていたそうですが、今は担当が行政に変わって広島市議会や原爆について取材をすることが多いのだとか。
 ただ、時には以前担当だった警察関係の取材をしたり、他のものも取材をしたりと柔軟に現場を駆け回るそうです。

 「報道記者っていっても何をするんだろう?取材をして記事を書くだけなのかな?」と漠然と思っていた私たちでしたが、実際に井上さんにお話を聞くと、想像以上に色々なお仕事をされていることがわかりました。

 「もちろん報道記者は取材をして記事を書くことがメインです。しかし、記事を書いた後にも、実際に放送されるニュース映像のテロップ(字幕)や、レポート映像を流した方がいいと判断すればレポーターとしてテレビに出ることもあります。“どうやってこのニュースを伝えるか”を最良の方法で演出をするディレクターの面もあります。」

 井上さんは、お昼と夕方のニュースを担当されており、スピーディに原稿を書き上げる必要があるそうです。
 そのため、お話を聞きながら原稿を書き、原稿を書きながらお話を聞くというように、インプットとアウトプットを同時進行でこなす器用さも必要なのだそうです。

 また、取材といっても本取材前の前取材や企画のための取材など、決して実際に使われる取材だけではないようです。そのためオフィスにいることはあまりなく、外を飛び回っていることが多いのだとか。

 ニュース番組の“核”である情報の扱いをすべて任されている、そんな仕事が記者なのだなと感じました。

目の前で起きていることを伝えきれない…自分の実力不足を痛感した

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VTR編集の様子。映像編集者と相談しながら作成します。

 井上さんは、入社一年目に体験したとても悔しい思い出があるそうです。

 「入社一年目にあの広島土砂災害が起こったんです。当然、記者の私も現場に行ったのですが、当時の私にはあの惨事を伝えきることができませんでした。目の前で起きていることを視聴者に伝えられないジレンマのようなものを感じました。
 それでより真実を伝える大切さを学びました。後世のためにも真実をしっかりと伝えて、あのような被害が二度と起きないためのきっかけにしなければ、と思いました。あの時の悔しさもあって、今でもときどき被災地には足を運んで経過を確認しています。」

 目の前で起こっていることをそのまま画面に写すだけでは、なかなか視聴者には現場の温度感は伝わらないようです。そのためにどういう方法を使えばいいのか、どういう言葉をチョイスすればいいのかなど様々な部分を考えて伝えているようです。

 そんな大変な記者のお仕事のなか、この仕事をしていてよかったなと思える場面も色々とあったそうです。

 「まず自分の原稿が放送されるのは嬉しいですね、達成感といいますか。そして、放送を見てくれた視聴者の方や取材をした人が反応をくれると、とても嬉しいです。考えるきっかけになったんだなと。」

 伝えたことを受け取ってくれた視聴者もそうですが、より伝えやすくするために取材者の言葉に自分の知識や言葉を加えて、違う角度から報道をしたときに「そういう解釈もあるんだね。」と取材者から良い反応がくることもあるそうです。

 記者としての腕の見せ所であるアウトプットを褒められている、そんな気がして今後のモチベーションにつながるのだとおっしゃっていました。

興味のあることにチャレンジして、心揺さぶられるものを見つけられるといいですね

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テレビ新広島の公認キャラクター“ヒロシマイケル”と一緒に!

 学生時代にはとにかくやりたいことをやっていたという井上さん。では、具体的にはどのようなことをしていたのでしょうか?

 「大学生の頃によく行っていたお店の方がいわゆる“難民”の方でした。そこで色々と話を聞いて何かできないかと思い、古着を集めて難民キャンプに送りました。結果的に五千着を超える服を送ることができました。」
 その時は、教科書の隅に書いてある問題がこんなにも身近にあるということに衝撃を受けたそうです。

 「他にも、知りたいことは自分で掴みに行っていました。ベトナムの学生にインタビューをしに行ったこともあります。言葉はわかりませんでしたが、教授のツテなどを使って約二百人の学生に話を聞くことができました。」

などなど、自分でやると決めた時の行動力はすさまじいものがあったそうです。この井上さんの知識欲や行動力が、今の記者としての仕事に活きているんだなと感じました。

最後に、学生に向けてのメッセージをいただききました。

 「とにかくやりたいことにチャレンジをしてみてください。そうすると心が大きく揺さぶられるものが出てくると思います。その事柄に関係した仕事を見つけると、いい仕事が見つかるのではないでしょうか?大学生は時間があるようでないと思うので、一生懸命やることが大事だと思います。」

 井上さんは記者になってからもそうですが、学生の頃から普通の人が体験しないような経験をしていらっしゃいました。やっぱりこういう人だからこそがキラキラ輝いて見えるのだなと思いました。

取材後記

 毎日様々な現場で、様々な人と出会っている井上さん。最初は取材をするたびにドキドキしていたそうですが、今ではすっかりと慣れて、色々なお話を聞けるようになったそうです。
 そんな井上さんの目標は信頼される記者になること。時には取材者が話したくないことを聞きに行く記者のお仕事で、話しやすい、この人になら話したい、と思ってもらえるような記者を目指していらっしゃいます。
 今回の取材で、井上さんは本当に取材をする人を想っていることが伝わってきました。こんな記者さんなら、ぜひ話を聞いてもらいたい!と思うのではないか…と感じました。

企業/団体情報

企業/団体名 株式会社テレビ新広島(TSS-TV CO.,LTD)
代表者 箕輪 幸人
所在地 広島県広島市南区出汐2丁目3-19
公式サイトURL http://www.tss-tv.co.jp/
求人サイトURL http://www.tss-tv.co.jp/saiyou/

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